傷病手当金を確実に受給する!支給条件・金額・期間・申請方法を解説

傷病手当金イメージ画像 給付金 支援

この記事では【傷病手当金】の支給条件・金額・期間・申請方法などを、理解しやすいように整理して掲載しています。
確実に受給するためのポイントや注意点、図解での解説も。

病気や怪我で働けなくなり、一時的に収入が落ち込んで今後の生活費が不安。
そんな悩みを解消できるように、制度をしっかりと把握しましょう。

※掲載している内容は2020年9月現在の情報です。

※参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)
※参考:文部科学省共済組合
※参考:厚生労働省保険局

傷病手当金とは

傷病手当金とは、業務外の病気や怪我で働けなくなったことにより収入が減少し、一時的に生活に困っている方を救済するための公的支援制度です。
全国健康保険協会(※以下、協会けんぽ)や各種共済組合等が実施しています。

被保険者が業務外の病気や怪我のため仕事を休み、事業主から十分な報酬がうけられない場合に、月給のおよそ3分の2の金額を、最長1年6か月間受給することができます。

業務外の病気とは、がんやうつ病等、全ての疾病が対象となります。※諸条件あり

協会けんぽ、健康保険組合、共済組合、船員保険に加入している方を対象とし、療養中の被保険者とその家族の生活を保障するために設けられています。

支給対象要件(条件)

①業務外での病気や怪我により療養が必要となり、働くことが出来ない場合
※業務上、通勤災害によるものは労災保険の給付対象となります。
※病気と認められない場合(美容整形など)は支給対象外です。
※健康保険に加入していれば、アルバイトやパートも対象となります。

②連続する3日間を含み4日以上仕事を休んでいること
※病気や怪我の療養のため、連続して3日間仕事を休んだ後、4日目以降の仕事を休んだ日に対して支給されます。この連続する3日間を「待機期間」といい、詳細は以下の通りです。


【待機期間】
・仕事を休んだ日が連続して3日間なければ、「待機期間」は成立しない。
※2日間連続して休み、次の3日目に仕事に行った場合。
・待機期間には、土日祝日、公休日、有給休暇も含まれる。
・待機期間中の給与支払いの有無は関係ない。

③休んでいる期間に給料の支払いがないこと
※給料の支払いがあった場合、傷病手当金の額より少なければその差額分が支給されます。

国民健康保険加入者は新型コロナウィルス感染症の影響を受けた場合に支給対象となる

市区町村が運営する国民健康保険では、傷病手当金は各自治体の任意給付となっておりこれまで支給実績はありませんが、新型コロナウィルス感染症に感染、または感染が疑われ仕事を休んだ方も支給の対象となりました。
参考資料:厚生労働省保険局保険課
新型コロナウィルス感染症に係る傷病手当金の支給について PDF形式


※自治体によって対応が異なります。
詳しくは、居住地の市町村やご加入の国民健康保険組合にお問い合わせください。

支給期間

■支給開始から最長1年6か月で、支給要件を満たしている期間
※1年6か月の間に復職した期間があった場合、その期間も1年6か月に含まれます。

1年6か月の間に一旦復職した後、再び療養のため仕事を休むことになる場合は、同一の病気や怪我の療養に限り、傷病手当金が支給されます。

また、共済組合においては、支給開始から通算で1年6か月となります。

支給金額

1日あたりの支給金額
(支給開始月以前の間近12か月間の標準報酬月額を平均した額)÷30×2/3相当額
標準報酬月額とは 協会けんぽ


【支給例】

支給開始日以前の加入期間が12か月に満たない場合

①支給開始月間近の加入期間における標準報酬月額の平均額
②被保険者の属する全保険者の標準報酬月額


いずれか低い額にて計算します。

退職後の継続給付

受給できる残りの期間があり一定の要件を満たしていれば、退職後も継続して受給することができます。

・退職日の前日までに被保険者期間が1年以上ある。
・退職日に傷病手当金の給付を受けている、または支給対象要件を満たしている状態にある。

申請方法(記入例あり)

休職して傷病手当金を受給したい場合は、まず会社の休職規定を確認します。

休職規定の設置を義務化する法的根拠はないため、全ての会社に休職制度があるとは限りません。
規定があれば、病気や怪我で働けない状態にあり療養が必要であることを会社に報告し、休職を申し出ます。その際、医師の診断書も同時に提出しましょう。

そして休職状態になった後、申請手続きを行います。


■申請手続きは勤め人(会社員等)の場合、事業主が行うことが一般的です。

申請する職員→事業所の担当者→社会保険労務士→健康保険協会へ提出する
という流れになります。
申請書類には被保険者本人の記入が必要な書類もあります。

また、その他にも書類の提出を求めらることもありますので、事業所の担当者から指示を受けましょう。



■事業主ではなく被保険者本人が申請手続きを行う場合は、以下のようになります。

①協会けんぽや保険組合等の保険者から「傷病手当金支給申請書」を取り寄せる。
※郵送、もしくは各ホームページから書式のダウンロードも可能です。
協会けんぽ 健康保険傷病手当金支給申請書ダウンロードページ
・協会けんぽ 傷病手当金支給申請書 記入例 PDF形式


②「傷病手当金支給申請書」以下の計4枚を作成する。
・被保険者記入用(受給する本人)2枚
・事業主記入用(会社に記入を依頼)1枚
・医師が記入する医療担当者記入用(担当医師に記入を依頼)1枚


③書類が全て揃ったら、保険者に傷病手当金の支給申請をする。
本人が直接申請する、会社を通して申請する、どちらも可能です。


記入の依頼等、申請手続きが完了するまで数週間程度かかります。
支給開始を早めるためにも、休職後から間もないタイミングで申請手続きに取り掛かりましょう。

支給開始日までの期間

傷病手当金の初回の支給日まで、おおよそ1か月~2か月程度です。

支給日までの流れを簡単に説明すると

・個人差はありますが、申請書類の作成の時間が10日~14日ほど。

・初回の申請時には不正受給防止のため審査が行われます。
その審査等の時間を含め、約10日営業日(平日)ほどかかります。

・支給日は加入している保険の組合によって異なります。
申請手続きが完了してすぐに振り込まれるわけではなく、組合によって決められた日に支給されることになります。

・手続きが完了すると、支給決定通知書が届きます。
そのハガキに支給日などが記載されており、詳細を確認することができます。


上記のような流れで支給が開始されます。
実際の振り込みまで早い方で1か月程度、遅くなる場合は2か月程度の期間がかかることになります。

支給停止・支給調整

傷病手当金を受給中、支給停止や支給額の調整がされる場合があります。

■給与の支払いがあったとき
※給与額が傷病手当金支給額より少ない場合は差額分が支給されます。


■障害厚生年金または障害手当金が受けられるとき
※受給の期間が残っている場合でも、同一の病気や怪我で障害厚生年金を受けることになったときは、傷病手当金は支給停止になります。ただし、障害厚生年金の額の360分の1金額が傷病手当金の日額より低い場合は、差額分が支給されます。


■老齢年金が受けられるとき
※退職後に傷病手当金の継続給付をされている方が老齢年金を受けるときは、傷病手当金は支給されません。ただし、老齢年金の額の360分の1の金額が傷病手当金の日額より低い場合は、差額分が支給されます。


■労災保険から休業補償給付を受けていた、受けているとき
※過去に同一の病気や怪我で労災保険から休業補償給付を受けていた場合は、傷病手当金は支給されません。また、異なる原因で休業補償給付を受けている期間中も傷病手当金は支給されません。ただし、休業補償給付の日額が傷病手当金の日額より低い場合は、差額分が支給されます。


■出産手当金が受けられるとき
※傷病手当金の額が出産手当金の日額よりも多ければ、差額分が支給されます。


■失業保険を受けるとき
※退職後、失業手当と傷病手当金の継続給付を同時に受けることはできません。
両制度の趣旨が異なります。

問い合わせ先

全国健康保険協会 都道府県支部

・各種共済組合

・居住地の市町村

・国民健康保険組合

傷病手当金のポイント

・休職や仕事を休む(休んだ)理由が、業務外での病気や怪我であること。

4日以上、継続して仕事を休んでいること。(待機期間の完成)

・申請には医師による就労不可や要求職等の診断書が必要となる。

・支給額は間近12か月間の月給平均の3分の2相当額。

・支給期間は最大で1年6か月

・1年6か月の期間中に復職し、再度仕事を休むことになる場合は、同一の理由かつ受給期間の残りがあれば受給も可能。

・退職後も継続給付ができる。

・健康保険の加入期間が1年未満でも申請は可能。

・国民健康保険加入者は、新型コロナウィルス感染症の影響を受けた方であれば申請が可能。

※対応は自治体による

傷病手当金の注意点

・休職や仕事を休んでいる期間も、社会保険料や税金の支払い義務がある。

・給与の支払いがあった場合は、支給額が調整される。

・基本的には他の給付金と同時に全額受給はできない。
※条件により差額支給になる

・1年6か月を経過した後に同一の理由による申請は困難。

傷病手当金を確実に受給する

傷病手当金の支給開始までには申請手続きや医療機関の受診等、一定の時間がかかります。
早期に受給するためにも、早めの行動が肝心です。

とは言え、仕事を休まないといけない状況にあるわけですから、一人で行動するのが難しい場合も考えられます。そんな時は周りの協力者にサポートをお願いできれば心強いですね。

また、申請や復職をスムーズに行うには会社の担当者や健康保険の申請窓口担当者のアドバイスを受けることも大切になります。

制度をしかっりと把握し、傷病手当金を確実に受給しましょう。

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